一棟全体の収益と、これからの支出を読む
対象は、東京都内の賃貸用一棟マンションです。住戸ごとの区分マンション売却とは異なり、一棟の賃料収入・運営費・修繕予定が購入判断に関わります。
同じ沿線や築年数でも、現況賃料、空室の間取り、管理状態によって評価の説明は変わります。満室想定の利回りだけで価格を決めず、いま得られている収益と今後必要な支出を分けて確かめます。
- 入居者がいるまま売却したい
- 空室や賃料の下落が査定にどう影響するか知りたい
- 大規模修繕や借入の見直し前に、売却と保有を比較したい
査定で確認する6つの視点
価格の説明には、資料で確認できた事実と、今後の見通しに置く前提の両方が必要です。確認できない項目は推測で埋めず、追加確認の内容をお伝えします。
駅名だけでなく、入居者の暮らし方まで確認
東京では、最寄駅までの距離に加え、沿線の乗り換え、通勤・通学先との関係、周辺の生活施設などを確認します。単身者向けとファミリー向けでは、入居者が比較する条件も同じではありません。
周辺の募集条件を見る際は、間取り・面積・設備・築年・駅距離を合わせます。募集賃料が、そのまま既存契約の賃上げ可能額や成約賃料になるとは扱いません。
入居中・空室・修繕前で、伝え方を変える
入居中の売却では、レントロールと契約内容、敷金等の承継を整理します。入居者への連絡や現地確認の方法は、管理会社や売主様と相談して進めます。
空室がある場合は、募集履歴や内見の反応から理由を確認します。売却前に費用をかけて埋めるべきかは、工事費・募集期間・売却方針を比較して決めます。
修繕前なら、工事を実施する場合と現況のまま売る場合を比較します。建物の課題を隠すのではなく、確認できた状態と資料を購入希望者へ伝える方針です。
まずは物件名と所在地から
手元に資料が揃っていなくてもご相談いただけます。物件を特定し、追加確認が必要な情報を整理します。
- レントロール・賃貸借契約の概要
- 年間の運営費、借入残高・返済予定
- 修繕履歴、工事の見積もり、建物図面
- 登記・権利に関する資料、販売中であれば募集資料
返済・残債が売却の悩みになっている場合
借入が残っていても、売却代金と自己資金で必要な費用・完済資金をまかなえる場合は、通常売却を検討できます。資金が不足する場合は、担保解除等の承諾が必要な任意売却の可否を、物件と借入の状況から確認します。